21世紀の課題を見据え,その解決に貢献できる人材を育成することが本学類の目標です。そのために、本学類は「数理・情報科学コース」、「経営システムコース」、「物理・システム工学コース」、「物質科学コース」、「エネルギーコース」、「生物環境コース」「地球環境コース」「社会計画コース」「心理・生理コース」の9コースから構成されています。すべてのコースの「専門教育」で、理工系の基礎・基本科目、「自由選択」で、経営や環境を理解する科目を配置しています。その上で理工系の専門科目を配置し、少人数によるきめ細かい教育支援体制とGPA等による達成度評価により、学生の基礎学力を保証します。以下に、それぞれのコースのカリキュラムの特徴等を説明します。
現代の複雑な社会・自然現象を解明するためには、数学的モデル化、シミュレーション、分析が必要です。また、発展・変化の著しい高度情報化社会に対応するためには、情報システムの設計・開発・運用を行える実践的能力も求められています。
本コースは、数学・数理科学と情報科学を見渡したカリキュラムを備え、いずれを専門とする学生も隣接領域への視野と実践・応用カを養うための学習・研究を行います。
数学、ソフトウエア、情報科学、ネットワーク、シミュレーション、データ工学など
本コースでは、企業経営の効率化のための工学的手法(IE)とマネジメント手法(MOT)を学びます。
企業経営とは、製品開発・生産・流通・サービスなどの企業活動を管理(計画・実施・評価・改善)・マネジメントすることです。現在直面している・将来必ず起こりうる、さまざまな企業経営の諸問題に対し、俯瞰的で的確な解決策を提示できるような学習・研究をします。
経営、サービス、IE、開発、工学的手法、MOT、生産、マネジメント、涜通、経営環境など
本コースでは物理や機械・電気・情報工学に関係する基本的な知識の修得をベースとして、社会に役立つ新たな"もの"や"技術"、"システム"の創出を担う研究者・開発者を育てます。
学習・研究分野として、物理、機械、電気といった基本分野のほか、モデリングや数値シミュレーションを駆使してサイバネティクス、福祉・医工学、知能ロボットなどの人と工学とが融合した分野も対象としています。
物理、機械・電気工学、ものづくり、信号処理・制御、生体・医用工学など
近年、人類は資源・エネルギー・環境分野に対する多くの問題に直面しています。本コースでは、省エネルギー・省資源など低環境負荷の観点から、化学を基盤とした物質科学や材料工学に関する体系的な学問を習得するとともに、化学実験を通して、上記の諸課題に取り組む研究をします。これらの学習・研究とともに、産官学連携を見据えた実践教育も多く取り入れ、環境に配慮した先進的な「ものづくり」に貢献できる人材を育成します。
先進的ものづくり、化学実験、化学、低環境負荷、物質科学(材料エ学)など
原子力発電所事故は福島に大きな被害を与えました。地球温暖化を招く化石エネルギー資源に、過度に依存することも許されません。持続可能な社会の構築に貢献できる人材を育てるため、本コースではエネルギー資源の状況と省エネ・創エネ・畜エネの技術を幅広く学び、エネルギーを切り口に科学技術・社会構造・経済構造の在り方を考えます。
再生可能エネルギー、低炭素社会、エネルギーシステム、エネルギー自給自足、地球温暖化対策など
生態学、形態学、分類学、発生学、遺伝学、微生物学など生物学の基礎を学び、多様な実験・野外実習科目で実践力をつけ、環境保全・生物保全などの応用に取り組むコースです。環境や生物多様性の調査や保全の提言.遺跡出土物の分析など、社会への貢献を意職した教育・研究にカを入れるのもこのコースの特色です。
生態学、環境微生物学、生物多様性、保全生物学
自然災害・水資源の減少・温暖化などの地球環境に関する問題は、様々な要素が複雑に絡みあっています。このコースでは、地球環境を構成する地形・地質・気象・水循環などを基礎から学び、野外調査やモデリングを通して実践力を身につけます。日本や世界で発生する自然災害の予測や防災、人間活動や地球温暖化が地域や地球全体の環境に及ぼす影響の解明から課題の解決につながる研究へと発展させます。
地球環境、水循環、自然災害、環境予測、防災
持続可能な社会の構築を目指して、文理の垣根を超えた総合的な視点から、計画的にアプローチする方法を学ぶコースです。環境を構成する自然、社会、文化の各側面から問題点を総合的に捉え、都市や農村の空間を効果的にデザイン・計画するとともに、行政・事業者・市民による協働の取り組みを進めていくための専門分野を探究します。
社会、都市、持続可能性、環境、農村、デザイン(思考)、地域、計画
科学技術がいかに発展したとしても、それを支え、利用しているのは人間です。さまざまな視点から人間を理解し、それらの知見を科学技術に応用できる能力の習得をこのコースでは目指します。心理学、生理学、関連する学問分野を学習し、人間の心理・生理的仕組みを解明する研究や、それらを医療、介護、福祉、数育など専門性の高い領域で応用するための研究へと発展させます。
心理学、生理学、心理・生理学実験、質問紙調査、脳神経科学、脳と心