ラーニングポートフォリオ(LC上は「学修ポートフォリオ」という名称になっています。この文章上は以降Lポートフォリオで説明します。)は、自身の学修履歴の記録や学修の振り返りのツールで、LC上に構築されています。Lポートフォリオで自己評価を記録していくことにより、自身の能力向上への意識が強くなります。また、評価結果は授業やカリキュラムの改善にフィードバックされます。
Lポートフォリオを使う場合は、ネットワークに接続し、自身のコンピュータを使って、LCにアクセスし、左部メニュー(→学修ポートフォリオ→学修成果シート)から選択します。Lポートフォリオでは、次のことを行います。
長期的な目標として、自己認識、年次ごとの目標、セメスターごとの活動記録などを記録します。
短期的な目標として、基盤教育、専門教育、英語の3区分において、目標 → 活動成果(振り返り)を記録します。
〈福島大学学生に期待する姿勢と能力〉(全学DP)や自分の所属する学類のDP(DPはディプロマ・ポリシーの略で、大学が学位を与える方針)に即して作られたルーブリック(評価基準表)で自己評価します。また、自己評価のコメントも記入します。
「成績ダッシュボード」において、各自の成績をグラフなど視覚的な情報として確認することができます。
教員免許状を取得する場合は教職履修カルテを登録したり、ボランティア活動やサークル活動など各自の活動記録を自由に記録できます。
学修成果シートは、セメスター(学期)ごとに、指定された期間内に記入する必要があり、記入が完了しないと、次のセメスターの履修登録ができなくなります。
全学DP、各学類のルーブリックは下記のとおりです。左側に能力の内容を示し、「克服すべきレベル」から「応用レベル」まで能力のレベルが記載されています。各項目の内容をよく読んで、自身が該当するレベルをLポートフォリオ上でマークしてください。
( https://kyoumu.adb.fukushima-u.ac.jp/pdf/f_guidebook/portfolio_manual.pdf )→「学修ポートフォリオ利用マニュアル」
大項目* | 中項目** | 4 応用レベル |
3 実用レベル |
2 ミニマムレベル |
1 スタートレベル |
0 克服すべきレベル |
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最新の専門知識及び技術 (専門知識・技術) |
資料の収集・分析・統合、語学、ライティング、プレゼンテーション、ディスカッションなどの基本的なアカデミック・スキル | ほとんどのアカデミックスキルが十分に身についており、他者にアドバイスすることもできる | 基本的なアカデミック・スキルを身に付けており、ある程度実用レベルに達している | 授業以外でもアカデミック・スキルを身に付けようと努力している | 大学で学修するためにアカデミック・スキルを身に付ける必要性があることを理解できる | 基本的なアカデミック・スキルが身についていない |
最新の学問的知識や技術を身につけ、現代社会における自らの専門領域の役割を考え、知識や技術を改善したり更新したりする態度 | 自身の専門分野のより新しい知見を得ようとしており、それを社会に役立てようとしている | 自分の専門分野では非専門とする者よりも確実に知識や技術を持っている | 自分の専門分野に関する本やインターネットの記事を読んだり集めたりしている | 自身が大学で身に付けるべき専門性を意識している | 自身の専門性が曖昧で、力や意欲も足りない | |
本質を見極めるための教養と学際性 (教養と学際性) |
物事の本質を見極めるための探究的態度と、自らの専門性や技術を対象化・客観化させるための幅広い教養の定着 | 身近な事象や社会的事象を幅広い教養で受け止め、専門にこだわることなく探究しようとする | 人文科学や社会科学、自然科学と自分の専門を関連付けることができる | 自分の専門分野以外の本やインターネットの記事を日常的に読んでいる | 教養を身に付ける必要性を理解している | 探究的態度が弱く、教養の必要性を理解していない |
他領域の学問を学ぶことで自らの専門性を拡張させ、物事を総合的に、かつ俯瞰的に見るための知識のネットワーク構築 | 専門性を拡張させ、物事を総合的に見るために、幅広い知識のネットワークが構築できている | 自身の専門領域以外に関心をもつ学問分野を持っており、知識をつなぎ合わせることができる | レポートを書くとき、自分の専門分野以外の領域にも言及することができる | 知識と知識を関連付けることの必要性を理解している | 知識が断片的で、自分の専門分野の意味も理解できていない | |
協働的な問題探究 (社会的スキル) |
日常生活や国際社会に対する問題意識や、自らの専門性を生かして問題を発見し、問題解決に取り組むためのスキル | 幅広い問題意識や問題発見・解決のスキルを実際の問題解決に活用できる | 問題の持つ多様な側面を分析し、自分なりのアプローチで問題解決に向かおうとする | 自分の関わる日常的な問題について粘り強く問題解決に向けて努力することができる | 日常生活や国際社会に対する問題意識を一定程度もっている | 日常生活や国際社会に対する問題意識が弱い |
高度なリーダーシップやフォロワーシップなどのグループワークのスキルや、他者との協働による問題探究の実践 | 高度なグループワークのスキルが身についており、他者と協働して問題探究できる | グループワークでリーダーシップを発揮することができ、全体がうまくいくように工夫できる | グループワークにおいて、自身の役割を意識して参加することができる | 少々苦手であってもグループワークに参加することができる | グループワークのスキルが身についておらず、他者との協働が苦手である | |
社会の改善につなげる創造性 (認知的スキル) |
事実にもとづく客観的な社会の把握、および多面的にアプローチするためのデータ解析やフィールドワークなど様々なツールの駆使 | 様々なツールを駆使して、事実に基づき客観的に社会を把握できる | 様々な知見に基づいてデータを分析し、事実に即してアイディアを生むことができる | 本やインターネット、フィールドワークなどから、より客観的なデータを得ることができる | 物事を一面的にとらえるだけではまずいことを知っている | 主観的で、物事の把握が一面的である |
社会と自身の関係を問い直し、常識にとらわれることのない独創的で未来志向的な思考方法と失敗を恐れないチャレンジ精神 | 独創的で未来志向的な思考方法と失敗を恐れないチャレンジ精神を持ち、社会に貢献しようとする | 自分の考えを理路整然と述べることができ、他者との違いを調整できる | うまく発表できないまでも、理屈に合った自分なりの考え方を持っている | 他人に流されない自分なりの考え方を持とうとしている | 一般的な考え方に流されやすく、これまでのやり方にこだわる | |
市民としての主体的態度 (態度や価値観) |
東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故の被災地に学ぶ者として、被災の概要を知り、被災地に寄添い共感的にアプローチする態度 | 被災地に学ぶ者として、現状を充分に理解しており、被災者に共感的にアプローチできる | 被災地の特定分野や特定地域に関心をもっており、復興に必要な術を考えることができる | 関係授業、フィールドワークや学習会に参加するなどして自分なりに情報を集めたことがある | 福島大学が東日本大震災・原発事故の被災地にあることを意識している | 東日本大震災への関心が薄く、被災地への共感が薄い |
地域の抱える課題を社会が直面する21世紀的課題として捉え直し、主体的に探究しようとする態度 | 地域の抱える課題を社会が直面する21世紀的課題として捉え直し、主体的に探究しようとする | 身近な課題を世界が直面するグローバルな課題と関連付けてとらえ、探究しようとする | すべてではないにせよ地域や社会の抱えている課題の現状を知っている | 少子高齢化や環境問題などの現代社会が抱えている課題に関心をもっている。 | 日本や世界全体が直面している課題への関心が薄い |
* 大項目は〈福島大学生に期待する姿勢および能力〉を表します。
** 中項目は「大項目」の下位に属する具体的な説明を表します。