食農学類学類長 生源寺 眞一
皆さんが充実した大学生活を送るために心掛けてほしいこと、それは自分なりのプランを構想してみることです。毎日の予定や週内の作業の段取りを意識することはむろん必要ですが、あえて強調しておきたいのは中長期のプランを練り上げることの大切さです。具体的には、この学期に何をどこまで達成するのか、さらには年間を通じてどんな目標を実現するのか。そんな時間軸でプランを考えていただきたいのです。その延長線上には、卒業後の進路の選択と挑戦というプランも見えてくるはずです。
むろん、プランどおりに進まないこともあるでしょう。と言うよりも、若い皆さんのことですから、プランの見直しを求められる場面が少なくないと思います。見通しが甘かったことで修正を余儀なくされることや、逆に余裕が十分にあって、さらに高水準のプランにレベルアップすることもあるはずです。加えて大学生としての生活には、出会いの連続という面もあります。人との出会いだけではありません。新たな知見やアイデアに接する機会も想像以上に多いのです。そして、さまざまな出会いがプランの見直しにもつながるわけです。大胆に申し上げるならば、プランの構想と転換は自分自身の成長の証しともなる取り組みなのです。
大学生活の基本となるのが学業であり、むろん、ここでもプランが重要な役割を果たすことになります。高校までの授業とは異なって、自分で選択して受講する科目が少なくありません。さらに食農学類にあっては、2年次の後期からコースに所属し、さらに3年次には研究室で専門分野を探求することになります。こうした選択も念頭に置きながら、プランを練り上げる必要があるのです。そのための基本情報を整理したのが、この学修案内にほかなりません。ぜひとも熟読していただきたいと思いますし、折に触れて読み返すことにもなるはずです。
学修とは見慣れない表現かもしれません。大学で学ぶことを表す用語であり、公式に使われ始めて5年ほどということもあって、高校生だった皆さんには馴染みが薄かったわけです。もちろん、現在の大学でも学習という言葉は使われています。個々の講義や演習を念頭に置いているときです。これに対して、そのような学習から構成される体系を意味する場合に、学修という表現が用いられるようになったのです。もうひとつ、学修という言葉には、学生自身の能動的な姿勢を重視する考え方も盛り込まれています。体系性と能動性という点において、学修という表現は学ぶためのプランづくりの大切さと重なり合っていると言ってよいでしょう。
この学修案内を読み込むことで、皆さんの近未来に向けたプランが充実し、食農学類で過ごす毎日が豊かになることを心から願う次第です。ともに頑張りましょう。