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共生システム理工学類

研究倫理に関して

一般的に、大学の役割は①教育、②研究、③社会貢献の3つだと言われており、大学に入学した皆さんは、「教育を受ける」立場にいると同時に「研究を行う主体」であると見なされます。そして、研究を行う上で最も重要なことのひとつに「研究倫理の遵守」が挙げられます。研究倫理とは、非常に簡単に言うと、研究において差別的な立場をとったり偏見による類推や断言をすることによって、過去や現在に生きる誰かを傷つけたり誰かの利益を損ねたりしないことや、研究を行う上で不正行為を行わないという研究を行う者全てが守らなければならない規範・規則や考え方のことです。

さて、先にも述べたように、皆さんは教育を受ける立場にいると同時に研究を行う主体でもあります。研究というと自分とは関係ないものであると思いがちかもしれません。しかし、大学では学問を「教えてもらう」のではなく、自ら主体的に問いを立て、探究し、学んでいく姿勢が求められます。また、自らが学んだことをレジュメやスライドにまとめてプレゼンテーションを行ったり、レポートを執筆するといった機会が数多く存在します。さらに、大学での学びの集大成として「卒業研究」を行い、その成果を「卒業論文」として執筆することが一般的です。これらの、皆さんが大学での学びの中で日常的に行わなければならないことの全てが学問研究の一部であることを自覚しなければなりません。では、具体的にはどのようなことに気をつければよいのでしょうか。ここでは、皆さんが1年生の時点から取組む機会の多い「レポート」を例に見ていきましょう。

レポートを作成する際は、教員から提示された、あるいは自分で設定したテーマについて、文献を読んだり、関連する資料・データを収集・分析したりして考察を深めていく必要があります。インターネットの普及に伴って、これらは昔に比べて格段に容易になってきました。また、文章の作成も手書きではなくパソコン等を用いることがほとんどとなってきています。こうしたICT技術を活用できることも、大学生にとっては非常に重要なスキルのひとつです。一方で、パソコンやインターネットは、「コピー&ペースト(コピペ)」によって他者が作成した文章や図表などをそのまま取り込んで使うことも容易にしてしまいました。少し難しい言葉になりますが、他者が作成した文章や図表などを勝手に自分のものとして使うことを「剽窃(ひょうせつ)」と言います。この剽窃という行為は研究不正の代表的なもののひとつであり、残念ながら、大学生が作成するレポートにおいても頻繁に見られるものです。レポートは必ず自分の言葉で書くことが基本となります。とは言え、先人の知見を参照することはレポートを作成する上では避けて通れません。そこで、他者の作成した文章や図表などをレポートに掲載する際は、「引用」を行い、誰の文章・図表等を引用したかを示す「出典」を明示する必要があります。引用と出典明示のルールや方法は、これからスタートアップセミナーや様々な科目で学ぶことであり、まだピンとこないかもしれません。しかし、この、「引用」と「出典の明示」を用いて、自分で作成したものと他者の作成したものを明確に区別しなければならないということは、現時点で強く認識しておいてください。

研究倫理を逸脱することは、明確な不正行為であり、単位の取消や場合によっては卒業できなくなってしまうような重大なことであることを自覚してください。研究倫理について学ぶ機会はきちんと用意されています。研究倫理を守り、皆さんが健全に学問研究に取組んでいくことに期待しています。

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